市民健康大学で講演しました

今年も医師会が主催し、豊岡市が協催しておられる「豊岡市市民健康大学」が開催されました。

 今回も豊岡市薬剤師会にも依頼がまいりました。

そこで会長という立場上、岸本が講演をさせて頂きました。

 医師会主催ですから、毎回医師の先生方が専門の立場から話しをされる訳ですが、その様な中で話しをさせて頂くことは、非常に緊張します。

とは言いましても、考えてみると健康大学で話しをするのは連続5回目でもあり、少し余裕を持って話しをすることが出来ました。

--講演前半の内容--

 内容としては、日頃の業務で感じている事ばかりです。

・  お薬手帳をもっと利用して、患者さんが診察時に医師にもっと的確な情報を提供する。

・  薬の飲み合わせの話し(作用が強く出る場合と弱まる場合)。

・  薬の飲み方(食後・食前・食間など)

  などなどでした。

--講演終盤の内容--

残った時間は、薬草や漢方薬の話しを致しました。この辺の話しは、マスコミでも報じていない内容なので、詳しくご紹介しておきます。

 皆さんが飲んでいる漢方薬や薬草そしてペットボトルに入っている一部の原料などは、多くは中国から輸入されています。

これらは、日本でも栽培できます。しかも非常に良質な物が栽培されます。でもコスト的に難しいこともあり、特別の場合のために細々と栽培されているのが現状です。

 ここ数年、中国から輸入される薬草が少なくっています。入ってきても良い物が減少しています。

 これは、次の様な原因です。

①中国の富裕層の健康志向の高まりで、貴重な薬草を買い占めてしまう傾向にあります。

②中国の経済発展で、天然の薬草が減少しています。

③中国の国策で、貴重薬草(田七や冬虫夏草など)の輸出を制限している可能性があります。

 こんな事で、日本に入ってくる薬草は減少していますし、高騰しています。

入って来る薬草の品質も下がっています。

特に日本の病院などで使われる薬は、"薬価"という制度で、価格が決まっています。

国の決めた規格(残留農薬など)をパスすれば、薬価の範囲で安い物を製品として(薬として)使います。

最近は残念な事に、中国から輸入された時点で、この薬価を超えた薬草も多くなり、結果的に良い材料で漢方薬を作れないというのが現状です。

 たぶん、ペットボトルの「○六茶」などに入っている材料も同様の事が生じていると想像されます。

 薬草は、「工場で大量生産する」とか、「技術革新で良い物が作れるようになった」とかが出来ないものです。

 ある患者さんが、「漢方薬を飲む時に、"有り難うございます"と感謝するとよく効くんです!」と言われた事が有りました。

確かに、食事の時に魚や野菜の命をもらって我々の命を維持しているという意味で、「いただきます」と感謝をする訳ですが、少なくとも薬草に関しても同じ事が言えるかもしれないと感じています。