5月12日 アイティ7階豊岡市民プラザにて、センター薬局が主催する『健康の集い』を開催しました。
約20名の方が集い、みんなで学びました。
下記の内容にて、2部構成で講演をいただきました。
講演
1.「今日から使える!小児科の知恵」
薬剤師:岸本 典子さん (九日市センター薬局:小児薬物療法認定薬剤師)
●耐性菌について
抗菌薬(抗生物質)は使い方によっては、身体の中で薬剤に耐性化した病原体が
できてしまうことがあります。
自己判断で処方された抗菌薬の回数や日数を減らしたり、過去に処方されて
残ったもの等を飲むのは控えましょう。
●発熱時の対応について
高い熱でも、風邪などの感染症による発熱で、脳に後遺症が生じることは無いです。
熱を下げるには、解熱剤(飲み薬や坐薬)とジェルシート(〇〇シート、○○ピタなど)と
思われがちですが、解熱剤は病気を治すのではなく、一時的に熱を抑えるものです。
またジェルシートは解熱剤ではありません。
熱が高くても元気なら、無理に使う必要は無いです。
発熱のために水分や食事が摂れない、眠れないなど、発熱の弊害が明らかな場合に、
解熱剤の使用を検討します。
●漢方の知恵
食べ物には身体を温めるもの、冷やすもの、温めも冷やしもしないものがあります。
身体を冷やす食材には温めるものをプラスするという知恵があります。
例えば、冷奴には、生姜や葱をプラスします。
生姜や葱には身体を温める効果があります。
また、アレルギーの方は冷えない養生が大切です。
ヨーグルトやバナナは冷える食べ物なのでご注意下さい。
一見、関係が無いように思えるスマホやタブレット等の長時間使用も、
腎精というエネルギーを消耗してしまいますので、覚えておいていただけたらと思います。
2. 「心理学から考える子育てのあれこれ」
講師:瀬藤 虔一先生 (上級教育カウンセラー)
●子供の褒め方、叱り方について
褒める時には、具体的に、少し大袈裟なくらいに、結果だけではなくその過程を褒めるのが良いです。
例えば、お片付けが出来たからお部屋がと~っても綺麗になってお母さん嬉しいわ、
あの時に遊びたいのを辛抱して、こうやって頑張れたよね、等です。
そうすると、意欲や、やる気の向上に繋がります。
叱る時は、まず傾聴(子供の目線で話を聴く)してあげて下さい。
それから感情を少し抑えて、叱っている理由を説明します。
人格は叱らずに、行動を叱るように気を付けて下さい。
●子供の意欲や自立心を高める方法
私達(大人)は、子供に対して指示しがちです。
指示ではなく提案してあげると良いです。
自立心を高める言葉には、
①どちらにする?
②(時には)やらなくてもいいよ
③自分で決めてもいいよ
これらの言葉は、子供に考える機会を与えます。
●子育ての時の、イライラをコントロールするには
子育ての中でイライラして怒鳴ってしまうことがあるかもしれません。
人間には自分で自分のことを知って、コントロールする力があります。
これをメタ認知と言います。
自分という物を上から客観的に見るというイメージです。
私は今、感情的になっているな・・・イライラしているわ・・・
ということを認知すると、心を冷静に保てるようになります。
イライラは当然出てくるものだということを認知しておくことは大切です。
●「甘えさす」と「甘やかす」は違う
「甘えさす」というのは悪いことではないです。
お父さんお母さんに子供が甘えられるということはとても大切です。
例えば、子育ての中で、子供のわがままは、お父さんお母さんへの
唯一の自己表現できることです。
わがままは、ちょっと受け入れてあげてほしいです。
ところが、何でも買ってしまう等の「甘やかす」になると、
過保護や過干渉になることがあるので、注意も必要です。
わがままが常に悪いわけではないのです。
短い時間ではありましたが、内容の濃いセミナーになりました。
質疑応答も活発に行われ、素晴らしい学びの場になったのではと思います。
今後も『健康の集い』を計画したいと考えております。
ご興味のある方は、是非ご参加ください。